話題の【ベターッと開脚本】についてのご質問・ご相談が多いので私の見解を話します。
画像は本等と関係ありません。
【どんなに体がかたい人もベターッと開脚】
- 「…という本を読みましたか?」
- 「…という本、あれってどうですか?」
というご質問が多いので私の見解を話します。
※身体をみる仕事をしているという視点で話します。本やメソッドについて、良いとか悪いという話ではないので、私が話すことを目先の言葉としてではなく、大きな意味で捉えてください。また、文字だけでは限界があり、私の言っていることと、あなたのご理解に誤差もあるという想像も踏まえた上でお読み下さい。
※本は「情報」を売ることで利益を得る商品なので、メソッドの内容は話しません。
00.はじめに…なぜこの本について語るのか?
01.開脚は必要か
02.開脚するためのストレッチは必要か
03.私が思う本の問題点
04.4週間行う基本のストレッチについて
05.1週間目に行う内腿のストレッチについて
06.2週間目に行う壁ストレッチについて
07.3週間目に行う椅子ストレッチについて
08.4週間目に行うドアストレッチについて
09.スクワットの姿勢もそうですが…
10.私がやってみての感想
11.あとがき
00.はじめに…なぜこの本について語るのか?
既にバレエを教えている方の教えてくださったメソッドと大差なかったので、私にとってこの本は「情報」として必要ではなかったので購入しようと思っていませんでした。
しかし、影響力がすごいようで、元々みえている患者さんや新しくみえた患者さんから、多く、ご質問やご相談を受けるようになりました。
- 「あの本ってどうですか?」
- 「あの本で本当に開脚できますか?」
…
- 「あの本を実践したら膝が痛くなりました。」
- 「あの本を実践して腰が痛くなりました。」
…
今まで受けている他のご質問やご相談のように、身体の仕組みの基本を話すことで対応して参りました。本屋さんに並ぶ全ての「情報」に個別に対応することは出来ませんので、いつもはそのように対応しておりました。
しかし、ここまで社会現象?になっているので本を読むことにして購入しました。
- 読んでみて
- 実践してみて
膝や腰が痛くなった人は、ここでこうしちゃったのかな…などの推測が出来ました。
人さまの作品なので、私がどうこう言うのも恐縮ですが、身体を傷めた人が、本とメソッドの問題ではなく、文字のみによるそこに沿った指導の限界だと思いました。
5%の食塩水を作るには、100gのお水に5gのお塩を入れれば良いです。
でも、出来た5%の食塩水を、しょっぱいかしょっぱくないか「感じる」のは、その時の身体のようすにも依存します。
- ギリギリのストレッチをさせるなら、教える日が寒い日なのか暑い日なのかによってもさじ加減が違います。
- 効果が高いと言われるものほど、無理なく行うことが大切です。
- 良いメソッドは、効果を上げることと同じくらい安全に行えることが重要です。
一人でも怪我なく行えたら…という想いでブログに書くことにしました。
01.開脚は必要か
個人的には、開脚はかっこいいと思っています。
でも、ふつうの生活をしている人に必要か不必要かという視点で言えば不必要だと考えています。
股関節には適当な柔軟性があった方が良いです。
でも、開脚までするには、筋肉の柔軟性を高めるだけじゃなく、靭帯まで緩めます。
靭帯は、支持するという働きをするので、緩すぎると本来の機能を果たしづらくなります。
02.開脚するためのストレッチは必要か
【ゴールを「開脚」にしない。】という条件の下で、必要とも言える人はいます。
股関節には適当な柔軟性があった方が良いです。
あまりに硬い人は、安全に留意し、本の縮小的なストレッチを実践して、今よりは少し柔軟にするといいと思います。
03.私が思う本の問題点
アドバイスが足りないと感じました。
- 狙いが何
- こうするのは危険
- 揺するってどのように?
という三点が分かりづらかったです。
痛くした人は、分かりづらいから、勝手なストレッチをしてしまったのではないかと推測します。
狙いが何?
どこに効かせるのか?何のためにするのか?ということが書かれていません。
運動について多少なりとも考えて行っている人ならば、ここを明示してくれたら怪我をしにくく効果的なストレッチが出来ると思います。
こうするのは危険
このストレッチでココに刺激が出ている場合は違います。というようなことも添えてあったら良かったと思います。
揺するってどのように?
6種類案内されているストレッチはいずれも「揺する」という表現がされているが、文字による説明も図に矢印もないものもあり、どう揺するのかがわからない。
いずれも狙い等がわかりにくいので、
以下、04.からの項目は私なりに推測した意図に沿った話をします。
04.4週間行う基本のストレッチについて
①タオルストレッチ
意図としては脚の背面をストレッチしながら、股関節を動かす。ということなのかな?と思います。
無理しないで良いというアドバイスが書かれていますが、どこからが無理になっているかがわからない方が膝を傷めていると推測します。
脚の背面を伸ばすのは良いけれど、腿を内側に回した状態(多くの女性の姿勢)で爪先だけを身体側に引いたり、変な力みがあったりすると、膝が反対側に折られる負担が強すぎると感じました。
②シコストレッチ
内腿と脚の付け根に刺激がいくといいのかな?と思います。
上半身をどの程度前に倒していいかの案内が正面からの写真だけでは分かりづらいです。
手順3の図がないので分かりにくいです。この手順3も揺するのか?揺するなら回数?時間?の表記もないので分かりづらいです。
05.1週間目に行う内腿のストレッチについて
これは屈伸運動ではなく、伸脚運動ではないか?と思います。
この時も、内腿と股関節に刺激がいくといいのか?と思いますが、それを無視してポーズだけ追うと膝を反対に折る負担が強すぎると思います。
06.2週間目に行う壁ストレッチについて
壁際で行い、手順2で「揺する」という「揺する」動作に文字による説明も図による説明もないのでどのように揺するのかわからない。
わからないということは良くない方向に揺する人もいるのではないか?と推測します。
07.3週間目に行う椅子ストレッチについて
手順2の揺する方向が示されていないのでどう「揺する」のかがわからない。
08.4週間目に行うドアストレッチについて
手順2の揺する方向が示されていないので、どう「揺する」のかがわからない。
09.スクワットの姿勢もそうですが…
腿を内側にしたままこれらのストレッチを行うとポーズのゴールには辿り着けるけど、膝を痛くする危険が増えます。
先生の姿勢を良く見て、先生のように行います。
先生の姿勢通りに行えば、安全ですし、本当に刺激をしたい(動かしたい・伸ばしたい)場所を刺激できます。
10.私がやってみての感想
「傷めた…」
とおっしゃる方々がどこでつまずいたのかを知りたかったので、案内されている6種のストレッチを一通りやりました。
本当は、段階を踏んで案内されているものは段階を踏んで期間をかけてやるべきです。
私の狙いは違うので、まずは自己責任を覚悟で全部をやってみました。
04~09で述べたとおり、説明が足りないと感じました。
それでも、先生の意図を予測して、開脚につながりそうなイメージで行いました。
行った後一晩寝て、起きた時には、確かに身体がケアされている感じがしてメソッド自体は良い物だと実感しました。
11.あとがき
- 開脚=かっこいい
- どうしてもやってみたい
という人のことは止めませんが、開脚ほど靭帯を緩めたなら日常的に姿勢や体操を充実させた方が良いと思います。
- もう少し身体を柔軟にしたい
- 健康でいたい
というくらいの人は開脚までする必要はありません。
このメソッドの完成ポーズではなく、効かせて股関節を今より少し柔軟にすることをゴールにした利用が良いです。
本もメソッドも良いものだと思います。
でも、うまく出来ない人のためのサポートは足りないと感じました。
やってみてうまく出来ない人のパターンという項目が本にあったら良いのではないかと思いました。
そして、もしも出来るなら、本購入者にはPWによって見られる動画があったらよかったのではないかと思います。
効果が出るかということのためではなく、安全のためにです。